AM 07:30
すぐ近くの山から今日も朝日が登ります。
ホテルの2階のダイニングでブータン最後の朝食をいただいて。
たくさんの笑顔と優しさをもらったブータンともはやくも今日でお別れ。
後ろ髪を引かれる思いで空港に向かう途中、ガイドのビケと運転手のソナムが、最後にとパロの景色が見える高台へ連れて行ってくれました。
ここから見える、ブータンのパロ空港の滑走路。
パロ空港は、四方八方を山々に囲まれた谷あいにあるので、「世界で一番離着陸の難しい空港」と言われているのだとか。
だからパイロットさんには相当の技術が問われ、他の国から王様などを載せてブータンにやってくるときは、まずはその国のエアラインのパイロットが無人で着陸の練習に来るそう。すごーーーっ。
好奇心旺盛なわたしの、あれ何?! なんで?! も全部ぜんぶ、3日間受け止めてやさしく答えて続けてくれたふたり。
本当にありがとう。やっぱり泣きそうっ。
AM 09:30
パロ空港に到着です。
航空会社は、ドュルクエアと最近できたという民営のブータンエアラインの2つだけ。
お店はイミグレーションの中外合わせて4つだけというとっても小さな空港ですが、外にあった"OGOP"というお土産ショップがとてもよくて!
ブータン産の黒胡椒やターメリック、ジンジャーパウダー、チーズなどが素敵にパッケージングされ売られていました。
中のカフェもなかなかっ♡
Wifiも繋がり、小さいながらに明るくて快適そのものな空港です。
AM 11:30
すっかり大好きになったブータンに、感謝の気持ちの端を残しながら。
離陸後すぐに右へ左へ旋回する飛行機に、パイロットさんの技術をひしひしと感じて。
ありがとうブータン、また来るね。
クオリティの高すぎる機内食を楽しみながらインドのブッダガヤに寄港し、4時間でバンコクへ。
カトラリーこんなに揃うなんて、なんというホスピタリティの高さ!笑
バンコクでは、スワンナプーム空港からLCC専用のドムンアン空港へ移動し、約8時間の長いトランジットもちゃっかり楽しんで翌朝関空へ。
素晴らしかったバンコクでの滞在も、正直ややかすんじゃうぐらい、心から好きになっちゃったブータン。
たぶんこんな拙いブログじゃ何も伝わらないと思うけれど、ブータン好きだな♡っと思ったエピソードを下に少しまとめてみました。
と同時に、ブータン旅行の取り扱いを始めてみようと思います。せっかくたくさんの協力してくださる方々と出会えたので。
楽しかった旅のお話はこれでおしまい。
お付き合いありがとうございました。
◆End for...
Bangkok & Bhutan Trip 2018
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《番外編》ブータンのここが好き♡
Episode 1. 英語教育がすごい
ブータンの言語は「ゾンカ」というけれど、いろんな地方の言葉を統一して作ったものだから、単語が少なくて、気持ちのニュアンスを伝えるのがとても難しいそう。
だから、義務教育課程でしっかりと英語を学ぶため、40歳ぐらいまでのブータンの方は基本的に英語がぺらぺら。
今回は日本語のガイドさんがついてくれたのやけれど、ドライバーさんや、街で出会う方々とは、英語さえわかれば全然コミュニケーションが取れちゃう。
必然的にインターナショナルだなんて!すごいなぁブータン。
Episode 2. 女性への尊敬がすごい
仕事の重要なポジションでも、ばんばん女性が起用され活躍するブータン。
今年行われる首相の選挙でもおそらく、女性が選ばれるとのこと。
「男性は頭で考えるけれど、女性は心で考えられる。真面目だし、仕事も子育てもしてほんとうに偉い。」
みんなそう思っているから、結婚しても家事は男性が進んでやるそう。旦那さんにこんな風に思われたら、きっと毎日とってもしあわせだなぁ。
Episode 3. 犬が偉い?!
道路のど真ん中で犬が寝ていたとき。プップとクラクションを鳴らしてもぜんぜん起きなくて、というかちらって車を見て無視、みたいな。そしたら、車が大きく迂回して犬をよけて進むの。
夜は人気がいなくなると、どこからともなく犬がたくさん町中に出てきて吠え出すのやけれど、これを『犬のサミット』なんて言っていて。
宗教的に動物を殺すことを良しとしないブータン。(お肉も食べはするけれど、国内で加工せずすべてインドなどから輸入しています)
人間も動物も、それぞれに仕事と役割があるからねと共存をとても大切にしています。
Episode 4. 王様が大好き
どこへ行っても、王様の写真がででーん!テレビをつけても、王様が昨日どこそこへ行っていたーなどと言っていて。
ブータンの王様は、戦いがあれば先頭にたって兵に加わるし(2003年のチベット戦のときも!)、諸外国と良い関係を作るために頭も良くないといけない。
だから、国民のだれもからとても『尊敬』されています。
いつまでも自分が実権を握っていては国のためにならないと、先代の王自らが民主化を促進し、首相を作り。
国会での発言権はあるけれど、民主化から10年、一度も国会の決定に口を出したことはないそう。
今の王様はまだ38歳。なによりとってもかっこよくて素敵です♡
ちなみに美しい王女様は28歳。馴れ初めには諸説あってブータンの人でも知らないのだとか。
Episode 5. 伝統を守る心
『ブータンの味』を守るため、マクドナルドやKFCなどの外食チェーンの流入を法律で禁止しているブータン。
若い人は反発しないの?と聞くと、うーん…まぁみんなブータンの味好きだからね、他の味しらないしいいんじゃない、とにっこり◯
自分の国をこんなに誇りに思えるっていいな。
「でも真似したCFCはあるんだよ」って。笑
Episode 6. すぐ忘れちゃう
時計をもたないブータン人。手帳もカレンダーも基本的にないし、書き留めておこうともしないから、来週のことなんて約束しても無駄、せいぜい明後日ぐらいまでの予定しか覚えていない。どんなん!
「そのかわり、嫌なこともすぐ忘れるよ」とまた、にこり◯ しあわせの秘訣かなっ。
Episode 7. 喧嘩はするよ
いつも笑顔で優しいブータンのひと。怒ったり喧嘩したりしないの?と聞くと、全然するよ!と。
「でも喧嘩したこともすぐ忘れるからね、次の日会ったらもう、Hi!って。日本は違うの?」…違うかも…。このあっさり感うらやましいな。
Episode 8. 産業は電気と観光
ブータンの産業のNo.1は水力発電。作った電気はインドへ売っている。
No.2がなんと観光業。No.3は…ないかなって。
観光客で一番多いのはアメリカ人。次いで中国やインド、ヨーロッパ、韓国、日本など。
若い人がどんどん、海外で勉強するようになってるから、ゆくゆくはまた他の産業も生まれたらいいなって。
ちなみに、ブータンの大学では、工学部や理学部が人気のよう。
医学や薬学を勉強する場所はないから、お医者さんになる人は、国から選ばれて援助金でバングラデシュの提携校で学び、ブータンに戻ってくるそう。間も無くブータン国内にも医大ができるみたいでした。
Episode 9. 治安は良くて当たり前
ブータンの治安は極めて良い。物をそのへんに置いていてもとられることはほとんどないし、旅行者がぼったくりや詐欺の被害に遭うこともとても少ない。
でもこれって、日本と同じじゃない?
日本と似てるね!と言うと、うーん、当たり前だからわかんないと(笑)
一緒一緒、日本も良い国ってことやなぁ。
Special Episode. 幸せって何?
ブータンに行ってくる、と言うと、色んな人に「幸せの国ね!」と言われました。
普段から自分はとってもしあわせやと思っているけれど、何がそんなに日本と違うのかなってずっと思っていて。
ブータンのこと、日本のこと、自分たちのこと…この旅でたくさんのことを話したガイドのビケに、ねぇねぇと聞いてみると。
「日本人は忙しすぎるね」
単純すぎるようにも思える、それが彼の答えでした。
日本人の中には、ブータンに到着した矢先に「幸せはどこ?ブータンの人は何で幸せなの?教えて。」って聞く人がいるという。
考える時間があるかないかの違いだけで、
幸せの答えはブータンでも日本でも、必ず自分の中にある。
なのに、日々とても忙しいから自分の幸せが何かを考える時間がなくて、だからブータンに来ていきなり、幸せって何?!って質問を投げつけ、簡単に答えを得ようとすると。
決して物が豊かにあるとは言えないブータン。
でも、ブータンの人が考える幸せはいつも、家族とともにあるような気がしました。
- 時計は買えるけど時間は買えない
- 家は買えるけど家庭は買えない
旅の中でビケが何気なく言ったこんな言葉がとっても印象的で。
仕事をするのにも理由がある。家族のため、とか何かを叶えるため、とか。
だから、仕事に忙殺されることは絶対になくて。毎日17:00には家に帰っている。
選べるものも少ないから、選んだらすぐそれで満足できるしねと。
働きものの私たち日本人。ありがたいことに、何をするにも買うにも選択肢が多い。
仕事が忙しいから好きなことをしたくても休めない、家族にいい暮らしをさせてあげたいから頑張ってるけど会える時間はない、なんて本末転倒になったりしてないかな。
自分が幸せだと思える瞬間や、大切なものを間違えないように。きちんと選んで生きていけたら、ブータンの人のように毎日を笑顔いっぱい生きていけるのかもしれません。
大切なものを、大声で大切と言えたら。
あとはもう、これでいいや!って笑って過ごせたらいいな。
自分の庭に撒いてねと、幸せの小さな種をひと粒、お土産にいただいた気がしました。
Kadrinchela.