ずっと来てみたかった、でも絶対来れることはないと思っていた場所へ。
2018.02.22
- PM 18:00
◆Gaggan
Asia’s 50 Best RestaurantsでNo.1に輝き続けるバンコクのインド料理レストラン。
世界の食シーンを変えたスペインの名店中の名店、エルブジ出身のシェフが繰り出すインディアンフュージョン料理の世界。
一軒家の邸宅レストラン自体、予約は6ヶ月待ちともいうから、よく予約が取れたものやなぁと自分でも感心しながらっ♡
といっても、飛行機を取るよりずっと先に予約を入れました(笑)
その中でたった14席、リクエストを出してもほとんどの人が通らないカウンター席が2階にあって。
通常の厨房は1階にあるけれど、この14席だけは前が実験室のような厨房になっていて、同じメニューをショー形式で楽しめるという。
もちろん私もリクエストを出していたけれど、コネクションもないし、ものすごい倍率にひっかかるわけもなく2階の通常のテーブル席に案内され。
でもね、とてもラッキーなことに、最近シンガポールから来たという日本人のソムリエさんがいらっしゃって。
ダメ元で、やっぱりあっちは無理ですよね、と言ってみると、交渉してくださったのかなんとなんとそちらにお招きいただけることに…!!!
大慌てで席を移動っ。
なんと言ってもここは、18:00一斉スタートの遅刻は大厳禁、アレルギーも基本は無しの方限定という本当の特別席だから。
置かれたメニューにはなんと、25個のアイコンが書かれたのみ。
???となりながら、この空間専属というフランス人ソムリエさんにワインペアリングをお願いすることに。
一組一組の好みをとても真摯に聞いてくださいます。
そして、It's show time !
シャンパーニュとともに、いよいよ始まりです。
小さなお皿が25個、コース仕立てで。
22個は手でそのまま、2個は器で、1つは内緒ねそのうちわかるから、と。
1.Cucumber
胡瓜と黒塩のスパイシースクイーズ
2.Explosion
エルブジの系譜を組むガガンのシグニチャーディッシュ。
ぷちっとハリのある食感の、ヨーグルトリキッドの入った温泉卵みたいな一皿。
3.Brain Curry
急に大音量でロックミュージックがかかったと思ったら…
Lick it up! という歌詞とともにこのお皿。
チリとカレーとグリーンピースのペーストを下からLick it(なめて)、脳内カレーを楽しんでと。
面白いーーーー!大のおとながみんなお皿舐めちゃってる...!!! 笑
舌だけじゃなくて、五感で楽しむこのかんじ。
これがエルブジが作り上げた新しい食の世界だと思う。
4.Horseradish Egg
カレーアイスのプチ卵クッキーに、上にはカリブ海のキャビアとマスタード
5.Prawn
北海道の甘海老には、水飴の殻をつけレッドカレームースを入れて回る
6.Eggplant
タンドリーで焼いた茄子をフリーズドライにして小麦粉のように使った茄子のクッキー。
中には、玉ねぎのチャツネが入り、タンドールでついた燻製風味が美味しく。瞬間に口の中でとろける。
材料の種明かしっ。
7.Chilly
チリボンボンと言われたものは、外側はなんとホワイトチョコレート、中にチリ風味のリキッド。
ここで合わせるRousanneの白ワインは、気のせいかタマリンドの風味がする。
8.Rice
ココナッツチャツネを載せたインド風のライスケーキ
ここで気付いた。どのお皿も余韻がとてもとても長い。なんだか魔法みたい。
9.Fish
タイの海で採れたシーバスとアーモンドのタイ風サラダ巻き。こちらもトムヤムクンの風味。
9.Keema
ケールが練りこまれた羊のキーマ包子、上には紫蘇の花が。
10.Tacos
突如、根室の立派な箱ウニが披露され…!!!
タコスに見立てた生雲丹が。
下には、パンプキンと鱈、海ぶどうのムースが隠れていて。合わせて頂くの。絶品…!!!
なんと芸術的で細やかな仕事だろう。
12.Sushi
次に披露されたのは、なんと大分産の鮪…!!!
鮪の中トロマリネ、シャリはご飯ではなく出汁のメレンゲ。
マリネは、フリーズドライの柚子と山葵が香る。
Gagganのシェフはとても日本が好きで、1年で8〜10回も来日しては食材との出会いを楽しんでいるとか。
和の食材の新しい可能性が、こんなふうに海外でもたらされるなんて。
次のペアリングはまさかの甘口ワインで。
13.Citrus
どちらかの手を出して、とシェフから急に柚子のリキッドをスプレーされ。
ここに載せられたのは、フォアグラと柚子アイスのミニタルト。複雑な味に舌鼓。
なるほど、やから甘口ワインやったのね。
ここでソムリエさんに、私はカレーにはゲベルツトラミネールを合わせるのだけれど、もっと他に何かないかな?と聞いてみると。
ジョージアのオレンジワインや、Juraのヴァンジョーヌ。
クリームベースのカレーだとFino、そうそうお寿司にはシェリーが合うよね!なんて、とても楽しい選択肢をいただいて♡
今度試してみよう…!!!
お楽しみは続きます。まだ半分っ。
14.Chocolate
鰻のメキシコ風モレ、中には餅米が。
チョコレート味しないよと言うと、なんでもこのモレのスパイスがその昔に、チョコレートと同様インド交易の産物だったのだとか。
15.Carrot
こっちで買ったら1本5ドルもする濃厚な金時人参のポタージュ。
タマリンドとブラックペッパーが香る。
赤のペアリングは、シチリアのエトナ山の麓でベルギー人が作るもの。
ネレッロマスカレーゼとカタラットのブレンドでスパイシーなお料理をも優しく包み込む不思議な存在感。
16.Momo
黒にんにくのモモ(チベット餃子)の中身は、インド風のポークビンダルー
17.Coconuts
北海道産ホタテと生姜、生ココナッツ粒アイスのバイト
18.Prawn
ポルトガル風海老のカレーグリル。ぶりんぶりんの海老に、ここでもひとつひとつに素材の良さが伺える。
19.British
チキンティッカムースが入った、トマトマサラのメレンゲサンド。
息のあったマリアージュを見せてくれたのは、このShiraz。
20.Charcoal
黒丸●の絵文字もここのスペシャリテ!
椎茸と枝豆のペースト揚げにフライドオニオンを添えて。
和食、それも日本の「食材」への世界の関心の高さと可能性を感じずにはいられない。
21.King Crab
急に証明が暗くなり…目の前で焼かれるシェアウッド。
火がついたままお皿に提供され、気をつけてとバナナリーフの中から出て来たのは…
な、なんと!!! "蟹のバスマティライス"
美味しすぎる。お腹いっぱいやのにぺろりんっ。
22.Roses
ここから始まるデザートの一皿目は、ビーツで作られた薔薇の花びら。
中にはマシュマロ、下はシナモンチョコレートクッキーが。
吹き抜けから見える1階の厨房で、それはそれは丁寧に花びらが1枚ずつ作られていました。
23.Flower Power
花型パイ生地には苺アイスと裏に潜むラベンダーシュガー。
これがもうほんと、秀逸に美味しい。美しい上においしいってすごい。ずるい。
24.Origami
折り紙よりインスパイアされた1品は。塩キャラメル、味噌キャラメル、ラズベリー、チョコレートのソースがそれぞれのセクションに。
ワンバイトで頂くと、「甘い」と「辛い」が口の中で複雑に絡み合う。
25.Yin Yang
最後の一皿は、エスプレッソ珈琲と白胡麻のキャラメルアイス。
最後に配られる、食材の答え合わせ。
完璧すぎるショータイムの幕引き。
食で『楽しませたい!』という気持ちのなんて強い人たちなのだろう。
アイデアとも、創造力ともいう。普段の食事では必要じゃないと思えるようなことが、ここでは当然のように前面に立っている。
こういう五感に訴える料理って。
楽しいからそのぶん、美味しくなくても仕方ないって思っちゃうところもあるけれど
ここで食べたものは、どれもほんとに舌で美味しく、それ以上のエンターテイメントがそれぞれにあった。
感動以上の何ものでもない、ここに来るだけでバンコク渡航の意味があるぐらいのスペシャルすぎる3時間のディナータイムでした。
人気絶頂の折に幕を引いたエルブジのように。
レストランの賞味期限説を信じるオーナーは、こちらも2019年ごろに閉店すると宣言していて。
もう来れないかもと思うと悲しいけれど、ただ今の噂では、どうも2020年ごろに新店を福岡にオープンするとかしないとか。
またこの素晴らしい食事の瞬間に立ち会えますように。
すっかりご機嫌でホテルへ戻り、宿泊していたホテルのルーフトップバーへ。
◆The Speakeasy
http://hotelmusebangkok.com/restaurants-bars/bangkok-rooftop-bar-speakeasy/
24階にあるだけあって、景色もとってもスペシャル。
すごい活気の街だったなぁ。
せっかくなのでオリジナルのカクテルをいただくことに。
Extravagant G&T 370THB と、
胡瓜とライチ、アップルジンジャー、バタフライピーのカクテル
Lemongrass Mojito 320THB
タイらしいレモングラスのモヒート
ほんとにほんとに、しあわせな1日だった。
生きていて良かった、頑張ってよかったと。
船着場のマンゴーから、五感に訴えるフュージョン料理まで。
どれもが大切で、美味しくて、魅力溢れるバンコクの食シーン。すっかり虜になってしまったのでした。