AM 04:30
1階の台所からことことと朝支度の音。目覚めると、窓の外には丹後松島の海景色。
目のまえの海から朝日が登る6月限定で朝食を出すため、なんとレストこのしろ、4時半よりオープンです。
今日の波はとっても穏やか。
1.5升(15合)のごはんが炊き上がりました。
地元丹後産のこしひかり。このあたりは米どころで、酒米などもたくさん作っているエリア。おいしいお米の調達には事欠かないそう。
海を見ながらいただける朝食メニュは1種類、ごはんにお味噌汁、おかずが2~3種つく「朝定食」は500円。
今日のお魚はカレイの干物。日によって飛び魚だったりその日の仕入れによって様々。
この日のおかずは、がんも、ワカメの酢の物、いんげん豆の胡麻和えでした。すてき!♡
私にも朝食をご用意してくださったのですが。
嬉しい!昨日話しに聞いていた、アカモクというこちらの海藻を使った卵ごはん定食です。
丹後の有機農家さんのネギを乾燥させ、甘みを出したシンプルだけれどとってもおいしいお味噌汁。
なんと贅沢な朝ごはん。ご馳走様でした。
AM 06:30
近く"此代"の集落へお散歩に出かけます。静かで青々ととても気持ちがいい。
沢の音を聞きながらお散歩。紫陽花もたくさん*
かわいいお地蔵さん軍団!丹後にはこういう軍団さんがちょくちょくといらっしゃるそう。
AM 08:00
レストハウスに帰ってのんびりお仕事していると、突然の地震!びっくり。。
大阪のおうちたちに連絡を入れると、何事もなかったようでホッ。
と思ったら!うっかり開いていたMACのスピーカー部分にお茶をこぼしてて、スピーカーがならず。慌てて天日干し…!!!
さすがの日当たりのよさに、夜にはすっかり回復してました*
AM 11:00
今日は1日まるまるかけて、美味しい丹後発見の旅へ!丹後でガイドをされながら地域創生に関わられている、"tangonia"の長瀬さんが案内人として、わざわざお迎えきてくださって。
まず初めに連れて行ってくださったのが、峰山というエリアにあるお醤油の醸造場さん。
◆小野甚味噌醤油醸造(株)
昔は丹後の各町にあったという醤油醸造場ですが、今残っているのは3軒ほど。現当主を務める甚一さんで4代目になるという老舗のお醤油やさんです。
醸造場併設のショップでは、通常のこいくちシリーズ以外に、刺身や寿司用の"むらさき"シリーズ、お味噌などこだわりの品がたっっくさん!そのほとんどすべてを試飲させていただけます。
地元で採れる荏胡麻や琴引のお塩、にんにくなどローカル素材とのコラボレーションにも積極的で。
大豆そのものも隣の与謝野町から調達しているとか。
どれも個性豊かでアイデア満載!とっても美味しかったけれど、中でも気に入りすぎて即決しちゃったのがこれ…!!!
旨味たーっぷり!帰ってこれで卵ごはんするんだぁ♡
「調味料の多角化に合わせて色々なものを作るけれど。地元の素材を使ってここでしか出来ない、自分たちにしか作れないものを。」と甚一さん。
娘の恵理子さんも、すっかり醸造場の顔的存在です。
お醤油の奥深くて美味しい世界を見せていただきました。
ありがとうございました!また来ます〜♪
PM 00:30
お醤油の試食ですっかりごはん気分になっちゃった私っ。おすすめの場所と、予約をしてくださっていたこちらへお邪魔しました。
◆創作料理 Akari
http://akari0423.sakura.ne.jp/sousaku/
2017年の4月に峰山にオープンしたばかりのレストラン。
素敵な空間でいただけるのは、地元食材を使った、平日限定のお得なランチセット。
和食週替わりランチ 1,200円
本日は、鰆の甘辛炒めのメインに、お刺身、小鉢料理3種、蒸し鶏サラダ、茶碗蒸し、鯛出汁の炊き込みごはんがつくという贅沢さ。
気まぐれランチ 900円は、メインが自家製タルタルソースのアゴフライ。
はー!おなかはちきれちゃうっ。丹後の幸もりもりもりだくさん!大満足ランチでした。
ご馳走さまでした。
PM 14:00
次にと連れてきていただいたのは、網野町にある「フルーツガーリック」の製造工房さん。
◆ 有限会社 創造工房
フルーツガーリックって何??? 状態で来てしまった私に、まぁまぁとまずご案内いただいたのがにんにくの発酵熟成庫。
んん?! 59.5度?! ここ入っちゃうの…??!!??!!
どうぞー♪と、軽やかに入れていただくと。
湿度も温度もとーーっても高くて、おまけに硫黄成分で目が痛すぎる…!!! 素人には到底長くはいられません…
中はなんと64℃。収穫したての白にんにくを、この空間で1ヶ月かけて「完熟発酵」を行います。
一口頂くと、本当に甘くてフルーティで。旨味のすごいプルーンのよう!
なんと糖度は45度も。フルーツよりもフルーツですよと。
お父さんと一緒に、時にはぶつかりながら商品の存在意義に熱い想いを込める玄氣さん。
生にんにくの味×発酵の技術というシンプルな掛け算だけで、美味しさのベクトルをどこまで伸ばせるかに挑戦していると。
「フルーツガーリックを主張したいわけではなく、例えばそのチーズなど。一緒に食べ合わせてもらう素材の食材としての可能性を高めるお手伝いをしたいんです」と。
なんと、赤ワインや、スティルトンなどのブルーチーズとの相性も抜群だそう♡
こんなに、言葉の端々に尊敬すべき想いや考えが滲み出ているのに、実はまだまだ20代という元氣さん。
これからの展開が楽しみすぎるっ!本当にありがとうございました(´∀`*)
PM 16:00
京丹後市役所の観光振興課さんとのミーティングにもご案内いただき。
フルーツ直売所にテラスを設けて気軽に楽しんでもらう"フルーツトレイル"など、海外の事例を取り入れつつ丹後の美食を気軽に楽しんでもらえる取り組みを考えられています。
食を楽しんでほしい、美味しくてしあわせな経験を共有したい。ゴールは同じ。
地域で取り組む、ローカルで楽しい食イベントに、旅行会社として何がご一緒できるかなと考える機会をいただきました。
宿題にして、また会いに来させていただきます(´∀`*)
PM 17:00
最後に連れて行っていただいたのがここ。
◆竹野酒造 有限会社
「弥栄鶴(やさかづる)」の名称で、地元丹後のみならず、日本全国、世界でも高い評価を受けている日本酒蔵さん。
現代のヨシキさんで6代目、120年の歴史を持つ蔵元さんです。
3年前にオープンされたという素敵な試飲バースペースにご案内いただき。
田園を眺め、夕方の涼しい風に当たりながらの贅沢すぎる試飲タイム。
キリッとした辛口さとフルーティさのバランスが絶妙な「旭蔵舞」、まったり甘やかで女性イメージの「錦蔵舞」。洋梨のような華やかさを持つ「超亀の尾」。
使うお米の種類、それぞれの個性が際立っていて、日本酒のポテンシャルの高さに早速驚かされちゃう。
ラベル裏にはなんと!原料のお米の生産者様の名前が入ります。
理由を尋ねると、「田んぼをブランドにしたいから」と。
次に出してくださった2種は更に驚き。
下左、リリース前の⚫︎⚫︎(Secret♡)は、グレープフルーツのような酸味と、パクチーのようなアジアンなハーブの香りがあって。
ブラインドで飲むと白ワインかと勘違いしちゃいそうなほど香り高い。
上右、世界でも人気という"-in/ei- "は、しっかりとフルボディな味わいを燻製の香りが包む。
こちらはがっつりとしたお肉料理に合わせたい。日本酒に対してそんなふうに思ったことはなかったけれど。
これまで知らなかった日本酒の世界が確実にここにはあって。
2次元にしか見えてなかったものが、急に3次元に見えてきたような。不思議で嬉しい感覚。
更に。先ほどの「旭蔵舞」の別シリーズ。複雑な旨味が口の中にアフターとしていつまでも残る素晴らしい味わいは、袋釣り斗瓶の1本目だけを贅沢にも取っているからだと。
まるでワインのようなエチケットの「No.25 ファーストフラッシュ」は、酸味がキリッとたっていて、シンプルに美味しい。
25歳で丹後に戻り、杜氏になって9年。美味しいお酒を作ろうという心にストレートに、「好き放題やっています」と。
概念にとらわれず、様々な日本酒の可能性を探求される姿が本当に素晴らしくて。
お会いできて良かった。ありがとうございました。
今日出会った方の、一言一言を思い出しながら。
屏風岩の夕焼けを横目に、レストハウスへ戻ります。
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今日、丹後の素晴らしい魅力をこんなにも色々な角度から見せてくださった、長瀬啓二さんが代表を務められる"Tangonian"は。
「旅は“日常”と“非日常”の交差点」をコンセプトに、外国人旅行者へ ローカルならではの出会いと体験の提供、おもてなしをサポートすることを指名として様々活動されています。
◆Tangonian
なにって、彼自身が本当に熱くて素敵な方で。
地域の方にとても信頼され、人と人を繋ぐ良い意味でのハブのように走り回られていました。
きっとこれからまた、お仕事をご一緒させていただけるのを楽しみにしています(´∀`*)
PM 19:00
近くに素敵な温泉施設があると、にんにくの良い香り♡まるごと連れていっていただき。
◆宇川温泉 よし野の里
素敵な木造建築の温泉は、日によって「海の湯」「山の湯」と趣の異なる雰囲気が楽しめます。今日の女性湯は「山の湯」。
テラスで黄昏ていたのは、どこからかきた山羊さん。
気持ちよいよね。わかるわかる。お邪魔しますね。
お風呂を上がってテラスへ戻ると、紅色の夕焼けに。
はぁしあわせ。素晴らしいインプットが山盛りだった日は、こうやって自分にのんびりと吸収させるの。
PM 21:00
ひーさんにお迎えにきていただき、レストハウスへ戻ると。
丹後本を作られたクミコさんと、アイルランドに長くいらっしゃり、ここでゲストハウス運営を考えられているジュンコさんを迎えての女子ワイン会(+ひーさん)に…!!! ♡
クミコさんの持ってきてくださった鯖のへしこ。フレッシュで美味しい。
長瀬さんが、家に眠っていたと届けてくれた1999年のSavigny-Les-Beaune。
すごいすごい!丹後でサヴィニーに出会えるなんて思ってもなかった。
すっかりと話し込み、2日目の楽しい夜は更けて。
明日は丹後最終日、どんか景色と美味しいに出会えるかな。
おやすみなさい。
Written by... **
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◆Table a Cloth.Co.,Ltd
CEO/Travel Designer/J.S.A.認定ワインエキスパート
岡田 奈穂子(Nahoko Okada)
Mail: tableacloth@gmail.com