Buono Voyage.

旅の目的はいつだって、おいしいワインと料理に出会うこと。

わたし、でいられること

今朝は、昨日買ってきたパンやお総菜で朝ごはん。

赤カブのチーズや飲むヨーグルトもどき…
いろいろ試してみたけれど、
パプリカ入りの大豆スプレッドと、パケ買いした
ニシンとカシスの酢漬けがおいしかったぁーっ♪

そして、今日は日曜日。
めーーーっちゃ楽しみにしていた、
Hala Targowaのフリーマーケットへ!

広場にたどり着くと、すごい人とストールの数。

洗練されたパリの蚤の市とかとは全然ちがって
不要なもの、を売りにきている市民のひとがめちゃ多いみたい(^^)
わたしはもちろん、そのほうがとっても嬉しくて、
値段も高いプロのストールは素通り。

おばぁちゃんが昔つけていたらしいイヤリング(10zl:約280円)だったり、
自分で縫ったのというエコバッグ(5zl:約140円)を買い。

そしていちばんテンションがあがったのが、
中央部分にたくさんあった古本屋台。

ラッピングにも使えそうな
色とりどりの古い地図やかわいい本がたくさん!!!


本なども、どれもひとつ1~2zl(約30~60円)ぐらいとお安くて
あぁこれも、これも!と買い込んでしまいました。

そして、買いそびれていたお土産のポーリッシュポタリーを、
Chimeaにポスターが貼ってあったお店を目掛けて買いに行きます。

◆kobalt | pottery & more
https://www.facebook.com/kobalt.pottery/


かわいいー!けれど、
このてのモダンなポタリーは正直、高いです。
よっぽど気に入ったものや大物でなければ、日本で買ったほうがよいかも~。

そしてそして、ランチをテイクアウトするため
カジミエシュのベーグルやさんへ。

◆Bagelmama
http://www.bagelmama.com

ポーランドからNYに渡ったベーグルですが、
NYから逆輸入するような形で、アメリカ人とポーランド人の
若いカップルが始めたベーグルやさんなのやとか。

おいしそうなベーグルサンドが15種ぐらいあり
ベーグル生地も、プレーンやセサミ、黒ゴマ、
オニオン、ガーリック、シナモンレーズンなどから好きなものを選べます♪

わたしは今週のおすすめという
Plastry piersi z kurczaka
スモークチキンとバジル、サンドライトマトのものを。

後に参加するツアーのバスのなかでいただきました。

おいしかったです(^^)

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今日参加するツアーは、
わたしがクラクフを訪れようと決めたもうひとつの理由。

クラクフから西へ約30km、
1時間とすこしでOświęcim(オシフィエンチム)という街へ。

ここにあるのが、かのナチス時代の負の遺産といわれる
アウシュビッツ収容所です。

たしか小学生の広島修学旅行前後に
パパから「アンネの家」の本を渡され、
同時に世界で起きていた出来事に
とても衝撃を受けたのを今でも覚えている。

アンネと同じ年ごろだったせいか、他人事と思えなくて
以来、事あるたびに思い出しては手を伸ばしていたのやけれど。

アンネの家には7年ほど前にパパと。
そしてアウシュビッツへ、20年の時を経てやっとやっとの訪問です。

アウシュビッツには2つの収容所があり、
まず始めに向かったのは、小さい方の"Muzeum AuschwitzⅠ"。

ここでは、アウシュビッツに運ばれた人の数や国籍、
その後に強いられた運命や生活について写真とガイドで学びます。

始めに訪れたBlock No.15では
概要と、主に到着後すぐにガス室に送られた人々について。

その際に使われたガスの缶たち。

隣のBlockには
殺されたひとたちから奪った持ちものの数々。

食器類に、8万足の靴たち。

義足だけでもこんなにも。

ここにあったものはみんな、
新しい生活地域を与えるからと言われ
信じて持ってきた宝飾品や貴重品、日用品たちです。

Block No.6では
ここで働き、生きていたひとたちの生活の様子が。
食糧の少なさはさることながら、
人体実験にかけられた女性たちの写真も。

Block No.11では
収容されていた人が寝泊まりしていた部屋などが。

そしてその建物の外庭には、銃殺に使われた"死の壁"。

生きていても、人は番号に変わり
体の自由を奪われ、人権を奪われ、アイデンティを奪われる。

そして、殺す理由を探される。

そして、ガス室と焼却室へも。

すべての建物を見終えた瞬間、参加者が一斉に、安堵のため息をつく。
ここはそういう場所なのかもしれない。

とはいえまだツアーの途中。
再度バスに乗り込み、
ここから約5km離れた場所にある
Auschwitz Birkenau(アウシュビッツ・ビルケナウ)へ移動します。

ビルケナウは、先ほどのアウシュビッツⅠと比較し
25倍もの大きさがある巨大な収容所。

収容人数が増え、あちらが手狭になったため作られた場所で
生活環境などはより簡素で悲惨なものだったようで。

"死の門"をくぐると、

遠くは200km、ヨーロッパ中から人々が運ばれてくる
鉄道の停留場所を中心として
高圧電流のフェンスで囲まれた広大な土地に、
ただただ同じ形の倉庫のような建物が建ち並ぶ。

この1台のちいさな貨車に、70人もの人々が
何日も食糧や水すら与えられず詰め込まれ、
たどり着いたころには、命がないひともとても多かったのだとか。

着いた瞬間に、生きている人は
「女性と男性」「ナチスにとって役立つひと、役立たないひと」に分けられ
役に立たないと判断された人は、シャワーを浴びるといわれ
そのままガス室へ送られました。

ナチスの証拠隠滅によって壊されたガス室


1度に1000~2000人を収容できるものが、5つもあったそう。

そして、最後は収容室のなかへ。

ここは、不要と判断された女性が食べ物もなにも与えられず、
ただ何日もガス室に送られるのを待つ部屋。

このツアーでは、目を背けたくなるような、
吐き気がするような場面が何度もあった。

これは、人間が、同じ人間に対してしていたこと。

実際に銃を手にしていたひとだって、
そんなことをしたかったために生まれてきたわけじゃないと思う。

何が正しくて、何が間違っているのか。
人の命の価値なんて、どうやったら計れるのか。

原爆資料館も相当に目を背けたくなるものだけれど、
ここアウシュビッツは、"人の心"から目を背けたくなる場所だった。

ツアーは所要約7時間、155zl(約4300円)。

来ない、という選択肢もあると思う。
でもわたしは、来てよかった。

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Back to Krakow

クラクフに戻ったのは、夜の20:00すこし前。

ポーランドの最後のディナーは、
ごはんを食べれるしあわせを噛みしめながらこちらへ。

◆Restauracja Polakowski
http://www.polakowski.com.pl

ポーランドの伝統料理をおやすく食べさせてくれる
セルフサービスの食堂のようなところで、
クラクフ市内に5店舗ほどを展開しています。

頼んだのは、食べそびれていた
Zurek z jajkiem, kielbasa(6.6zl:約180円)
ポーランドの伝統料理で、
ベーコンや卵の入ったライ麦を発酵させた温かいスープ

ライ麦のスープってどんなん?!
って思ってたけど、
クリーミー&すこしサワーで、めちゃくせになるー!おいしい(*^^*)

メインは、
Bigos hultajski(10zl:約270円)
ソーセージやキャベツ、木耳をトマトソースで煮込んだ
同じくポーランドの伝統料理。

こ…これもおいしい。ぺろりたべちゃう。

ホームメイドのラズベリージュースも頼んで、
なんとなんと、たったの19.9zl(約540円)!

あぁもう、おなかいっぱいすぎる~。
美味しくて、とってもお得なあたたかいディナーでした。

ホテルに荷物をピックアップしに戻り、トラムで駅へ。

今夜は夜行列車でウィーンへ向かいます。

次が、この旅さいごの目的地。
どうかまたすばらしい出会いがありますように。